人手不足と就職難 並存する矛盾
昨今の就職活動には1つの矛盾が存在する。人手不足と就職難である。就職難が叫ばれてはいるが、有名な大企業には人が殺到する一方で、利益がでているのにもかかわらず、人手不足が原因で倒産する中小企業が存在している。なぜこのような矛盾が起きているのか。
今回は新卒向け就活サイトキャリタス就活を運営する、株式会社ディスコに取材をさせていただき、実際に就活に携わる企業からみて、このような矛盾した状況はどのように見えているのかをお尋ねした。
キャリタス就活編集長である鈴木さんは、「就活生側には就活に対する価値の画一化が起こっており、中小企業側は魅力を伝えきれてない部分がある。そのような背景のもと就活における矛盾が起きているのではないか」と語る。
価値観の画一化とはどういうことだろうか。
「就活はわずか2年ほどの間に、何万社の中からその後の人生を左右する可能性のある1社を選びだす作業である。限られた情報の中で強迫観念に苛まれながら活動する就活生は、どうしても知名度のような分かりやすい情報であったり、ホワイトっぽいのような根拠の薄い情報で判断することになる。そうした中で就活生の判断基準に画一化が生じるのではないか」、「単純に大企業だから、中小企業だからというばかりではなく、知っているか否か、知っている業界、知らない業界ですごく分かれているような気がする」と鈴木さんは述べる。
実際に同じ大手食品メーカー間であっても、BtoB(企業が企業に向けて商品やサービスを提供する取引)とBtoC(企業が消費者に向けて商品やサービスを提供する取引)かによっても応募人数が10倍近く違うこともあり、BtoCの方が圧倒的に多いそうだ。
また、企業側も自社の魅力をうまく伝え切れておらず、給料、報酬などの条件でアピールを行う部分が大きい。そして、単純な条件だけで比べると、大手企業がより良く見えてしまうことが多い。結果として、就活生も与えられた少ない情報だけで会社を見るという価値の画一化を引き起こすという。
鈴木さんは、「就活生が就活を行うツールとして、キャリタスのようなサイトが果たせる役割があると思うので、企業の魅力をもっと提供していきたい」と語る。
今回の取材を通して、就活における矛盾、その原因の全てが明らかになったわけでは決してない。しかしながら、1つのたたき台となるのであれば幸いである
*****
〇キャリタス就活
株式会社ディスコが運営する、新卒向け就活サイト