【紫風】2019年 4月号
「平成最後の○○」というフレーズは、若者を中心に腐るほど使われてきた。しかしながら、その使用期限もようやく切れそうだ。皆さんが本紙を手に取っている頃には、新元号ブームに国民は沸いているだろう。およそ数か月後、時代が移る。
世間では、勝手に新元号を予想する声も少なくない。中には過去の元号を分析し、新たな元号を予測する者さえ見受けられる。小欄や多くの国民にとって、改元は国家主催の一大イベントに過ぎないようだ。
それもそのはずである。エンジニアなど一部の職を除き、改元したからといって私たちの生活が大きく変わることも、苦労を強いられることもないだろう。せいぜい書類に「平成」と誤記入し、気づいた誰かに笑われるのがオチだ。数か月もすれば、世間は何事もなく新元号の生活に順応し、数年後には澄ました顔で平成を懐かしんでいるのだろう。
確かに、改元しても生活はさほど変わらない。変わらないだろうが、そんな当たり前のことを言っていてもつまらない。新入生の皆さんは、「平成最後の受験戦争」を終え、「新元号最初の新入生」となる。例年の新入生と違う。なんとすごい偶然だ。そんなことを思い込み、文字通り「心機一転」を図れば、大学生活が少し楽しみになり、また充実したものになる気がするのは、小欄だけだろうか。
例年以上に初々しく見えるだろう新入生の面々と、新たな元号を勝手に想像するとともに、一人でも多くの新入生が本紙を手に取ってくれていることを期待して春を待つ。